2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

形式的禁止――無宗教ゆえの処方箋

内面や環境・関係性の技法として最重要の、 形式的禁止 + 再帰的組み替えについて、もとになった議論を引用しておく。 イデオロギーの崇高な対象作者: スラヴォイジジェク,Slavoj Zizek,鈴木晶出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/01メディア: 単行…

ひきこもる意識において、以下の2つはほとんど一致する。 保守的な他者の目で際限なく自分を責める 無限の自由を体現しようと、すべてを根底から疑う すべてを疑おうとすると、今この場に監禁される。 自由な意識のはずが、ちょっとした他者の目線に過敏に…

杉山春氏による『週刊朝日』連載 「中年ひきこもりクライシス」

2010年「6月18日号」、「6月25日号」、そして最新の「7月2日号」に掲載されており、さらに次号に続くようです。 杉山氏のtwitterより: 『週刊朝日』連載のひきこもりクライシス、長期化するひきこもりは、ご好評をいただき、連載回数が4回になりました。

批評というなら、社会性についてこそ批評が成り立たねばならない。

「社会 society とは何か」*1ではなく、「社会性 sociality とは何か」 社交性 sociability は、必ずしも 社会性 sociality ではない。 単なる規範遵守を社会性と勘違いする貧しさ。 触媒は、永遠の構造を描き出すのではなく、具体的に生まれて消える繋がり…

ひきこもりにはなかなか先行研究がないが、

以下を主題化している点で、ジャン・ウリ と フェリックス・ガタリ が参照できる。 主観性のスタイルと、繋がり方のスタイルは、切っても切れない。 主観性と繋がり方は、同時に主題化しなければならない*1。 個人と集団を往復しながら、自分が実現されるプ…

際限なき検証への、形式的な禁止

『新潮 2010年 07月号 [雑誌]』の討議「東浩紀の11年間と哲学」*1と、 『思想 2010年 06月号 [雑誌]』の討議「来るべき精神分析のために」*2を読み比べつつ。 東浩紀がガタリから剔抉した「複数の超越論性」を、《形式的禁止》の設計問題として使いまわすこ…

紛争

「戦争の体験談を語るわ その1」 「戦争の体験談を語るわ その2」 「戦争の体験談を語るわ 完結」 同じ内容を、ブログ記事の体裁で:「戦争の体験談を語るわ」(bewaadさん) メモ 民族カテゴリーは、手続き上の形式的フレームでしかない。 実体化したうえ…

信仰

それぞれの “専門性” には仕事の仕方があって、その踏襲でプライドを守るから、「本当はどうであるか」を考える前に、プライド確保を先にやってしまう。 それが問題だと言っても、誰も聞いていない。 努力システムに問題があると認めてしまえば、承認機会を…

ワークシェアでは、《つながりかた》こそが問われている

数年前に某所で知り合った会社員がひどい過労状態らしく、「手伝いましょうか」と言ったら本当に作業ファイルを送ってきた。やるべきことは時間がかかるだけで、熟練は要らない。 仕上げて送り返したらひどく感謝され、「こういうのがビジネスになればいいの…

自分を棚上げにした引きこもり論ばかり

つながりの作り方は、既存社会では触れてはいけない水面下の事情になっている。ひきこもりの本当の焦点はこの抑圧された部分にあるため、ひきこもりをほとんどまともに論じられない。「ひきこもり当事者」を別格化する議論はすべて間違っている。 彼らも、あ…

仕事の概念枠

フロー(作業課題を固定) ストック(理解、金銭、人脈*1など、フローの堆積物) 改編(仕事の理念そのものを変えてしまう) 1 を馬鹿にしていては仕事はできないし能力も向上しない*2。 多くの人は 2 に縛られて肝腎のポイント*3を見失う(ルサンチマンな…

三島由紀夫『天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)』末尾

語学の勉強を兼ねて。 これと云って奇巧のない、閑雅な、明るくひらいたお庭である。数珠を繰るような蝉の声がここを領している。 そのほかには何一つ音とてなく、寂寞を極めている。この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまっ…

静かさ

極端な静寂を唯物論的に扱うことができるようになると、声が元気になる 独りでいると、かえって静かにならない*1。 メルロ=ポンティ 『天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)』末尾 『2001年宇宙の旅 [Blu-ray]』 キューブリック 『GHOST IN THE SHELL 攻殻…

注目すべき活動はいくつも生まれているので、それらが遡及的につながって見えるような文脈づくりが要る。 散発的に「臨床、臨床」と連呼しても、発言がその場かぎりで終わってしまう。 苦痛緩和の活動が、批評的位置づけを必要としている(それがなければ、…

使い捨てにされる承認

あるサービスを受けた際、担当者が丁寧に対応くださったのだけれど、受け手のこちらよりもご自分の充実感を優先しているふうだった。サービスのフレームは決まっているから、承認はこちらに課された役割分担だが、気がつくと必要以上に承認している。こちら…