2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【私的な付記】:

『概念分析の社会学』合評会(参照)のプロジェクタ用資料について。 合評会時にメモしたURLに当日夜から数日間アクセスしたのですが、何も掲載されていないページにしか出会えませんでした。 たいへんお手数ですが、再度――できれば継続的に――あのプロジェク…

「対象の居直り」と「記述の居直り」が、相互に権威性を昂進しあう――のではなく!!

既存の当事者論は、「私のことは私が一番よくわかる」(参照)、「家族や専門家ではなく本人が」など、関係性に一人称を導入するモチーフとして展開されています*1。 ところが、一人称同士の関係をどうするかについては、驚くほど方法論がない。 酒井さんが…

秩序化について、「別の提案」が要る

イアン・ハッキングの謂う「相互作用類」は 現象の特徴を指示するための言葉であり、指示対象が「固定的であるか否か」については何もいっていません。 (略) つまり、在り方がまるで変わらない「相互作用類」もあるでしょうし、どんどん変わっていってしま…

《人々の-方法》、《場所の-方法》について

お返事を頂きました(参照)。 私がまず思いついたのは、 「場所」 → 社会学者のいう「社会的秩序」(or その下位概念としての「社会的システム」) 「取り組み〔主体〕」 → (秩序への)「参与〔者〕」 というゆるい対応関係でした。 (略) 「場所」と「関…

各人の当事者性を抑圧する当事者論

目下のところ「上山さんの問題」はまったく判明ではない、という評価とともに──そして、それをもっと明らかにすることに 私も少しは協力ができるのではないか、という期待の表明とともに──提示したものでもあります。 にもかかわらず「ポジション」やら「動…

当事者論を組み変えるために 4

【「3」のつづき】

ベーシック・インカムをめぐる、学者/実業家/政治家

朝までニコニコ生激論 テーマ『ベーシック・インカム(キリッ』 【動画1】 【動画2】 【動画3】 学者の先生は、最初に簡単なことを論じて、最後にいちばん複雑なことを持ってくる。 ところがホリエモンとか小飼弾は逆で、「ベーシック・インカムを実現するた…

洗脳支配の乱立と、正当化事業の嗜癖化

私は、自分の生きる秩序を内側から話題にできることを、《ひきこもりの専門家》の必須要件と考えています*1。 支援には(自助グループも含め)さまざまな立場や団体がありますが、ベタな規範意識が乱立しているだけで、そのうちどれかの支援関係に参入するこ…

ポジションへの居直り

上山さんが「専門家による記述の対象」でもある、という事情によっているでしょう。 だからといって、(略) 上山さんが 彼/女たちのなすべきことを・彼/女たちに代わって 行わなければならなくなるわけでもないでしょう。 上山さんには上山さんが、自らの権…

当事者論を組み変えるために 3

【「当事者論を組み変えるために 2」のつづき】

《メタ/オブジェクト》という中心テーマ

私は、硬直した正当化実務の問い直しを「分節」や「記述」と呼んでいます。 単に順応的な分節は、記述事業に一体化しているので、自分の従事している秩序への問い直しが封殺されてしまう。 しかし酒井さんは、そのことにも利点がある、と指摘されたのでした…

記述を監禁する秩序を、内側から問題にすること

[A] 私たちは、日々の生活の中で「他人や自分のしていること」の記述をしばしば行います。 しかし/そして、そのすべてが 記述された人に対して苦痛をもたらすわけではありません。 ならば、そのうちのいくつかが誰かに苦痛を与えることがあるのだとすればそ…

当事者論を組み変えるために 2

【「当事者論を組み変えるために 1」のつづき】 分量ばかり増えてすみません。議論の前提がお互いで違っていると思うので、そこからすべて説明することになっています。本当は、どこかに私が論じている程度のことを整理した議論があるのではないかと思うの…

関係が維持できるという奇跡

「酒井さん(あるいはエスノメソドロジー)は」とか、「すでに持続的な秩序参加に成功しておられる酒井さんは」とか、「「論じている側の苦痛」が感じられず」などなどと云々しうるほどには、上山さんは、酒井(やエスノメソドロジー)について知らんでしょ…

議論の順応主義

にもかかわらず「急いで」話を進めようとするのは──上山さん自身に「急いで」いるというつもりがないのであれば──、それはつまり、「上山さんが取り組んでいる課題」なるものの分かりにくさについての深刻な自覚がないからではないのか(上山さんにとって「…

当事者論を組み変えるために 1

【(5/6)別補遺 拒絶される当事者性のつづき】 酒井泰斗(contractio)氏からいただいた、「上山さんへのお返事」 への返信です。 私が目指しているのは、広い意味での当事者論の組み直しです。 既存の《当事者》という言葉の文脈には、不当な居直りや暴力…

GCOE国際シンポジウム 「コンフリクトを軽減する対話と実践――人文治療学の挑戦」 聴講

李光來*1(Lee Kwang Rae、江原大学哲学科教授、韓国日本思想史学会長) 「endgame としての哲学治療学試論――韓国的 panopticon と diaspora を中心に」 金善姫(Kim Sun Hye、江原大学人文学部研究教授) "Socratic Dialogue and Praxis Reducing Conflicts…

「支援」のディテールを左右する思想的立場

「「引きこもり」本人を置き去りにした国の“ひきこもり支援”の実態と怠慢」(池上正樹) 以前と同じ拙コメントを、一部だけ掲載いただいています。 今後は、「ひきこもり」「ホームレス」など、人と一体化しすぎた名詞形を、「ひきこもる本人」「野宿者」*1…

自分の当事者性を拒否する「正義の味方」たち

上杉隆 「小沢問題で検察リークに踊らされるメディアへの危惧」 より: スタジオを出た筆者の元に検察庁担当の社会部記者から電話が入った。 「お前まずいぞ、(検察側の)実名を出しただろう。『調子に乗りやがって』と、検察は怒っていたぞ。心配して言っ…

爆笑問題のニッポンの教養 「政治家が口を開くとき 〜御厨貴(政治史)」 視聴

後藤田正晴氏について(大意): 今まで分かってたことが2割まで、本人に聞いて分かったのがせいぜい4割まで。 あとの6割はやっぱり闇。 オーラル・ヒストリーの聞き取りをやっていて(大意): ご本人が言い淀んでるときに、この人はこう言いたいんだろ…

社会性は、政治の体質が決める

知識人や支援者の多くは、形式的な「べき論」と事業ナルシシズムで自我を維持している*1。 べき論とは別の当事者的分析を要求すると、怖がられる。 あるいは「当事者発言」を、上野千鶴子的な「自分を特権化するナルシシズム」の文脈でしかご理解いただけな…

(5/6) 別補遺 拒絶される当事者性

【(5/6)補遺のつづき】 酒井さんから、お返事を頂いています(ありがとうございます)。 「上山さんへのお返事」 以下は、それを拝読する前に書きあげた、次のレスポンスを準備する議論です。

(5/6) 補遺

【(5/6)のつづき】 ラボルド精神病院の創設者であり、《制度を使った精神療法》でガタリの先輩にあたるジャン・ウリ*1のエピソードです: クラブ活動を盛んにしたり、役割分担表(参照)の運営維持に協力するウリを横目にして、ラカンはウリに、お前は本当…

分節の解放と、合意の手続き

いただいたお返事をあらためて通読・精読したのですが、まず核心は以下の箇所だと思います(リンクや強調は上山)。 報告の中で私は次のように述べました: [1] 経験科学の目標・理念は「対象に関する(真なる・新規性のある)知見を獲得すること」であり、 …

被差別ポジションからいかに語るか (5/6)

【(4/6)のつづき】 『概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学』合評会をきっかけにした、酒井泰斗(id:contractio)氏とのやり取り、続きです。

映画「哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡」 上映会

HPにあった↓この一文で、神戸大学に観に行った。 「脱構築とは制度という概念がつねに問題となる制度的実践である」――ジャック・デリダ そのままジャン・ウリやガタリが言いそう。 スタッフ50人を抱える哲学コレージュの年間予算が4200万円ほどで、教…

「呼び寄せ高齢者」

NHKで小特集をやっていた*1。 都市に住む子供が、健康に不安を抱える親を地方から呼び寄せて同居を始めるが、かえって親を苦しめたり、親子関係が悪化したりという事例。 子どもには仕事があって対応できないし、親は見知らぬ土地に馴染めない。 とはいえ、…

検証に必要な合意形成 (説得/強制)

matsuiism “《つながりかたの検証》を拒否し” 検証(verification)を必要とする場面・テーマ・理由を双方が納得しなければ、検証作業自体が成り立たないのでは。交通事故の現場検証は警察の立ち合いの下で成り立つ等。 まさにおっしゃることが課題で、 合意…

「無縁死でいいじゃないか」

hizzz 独り死で何が悪い! 有無を言わさない縁無縁での叙情共同体強調は、ひいては靖国的な国家包摂を要請することにも繋がることになりかねない方向へ。 生前の引きこもり問題が、 生活や権利の実務レベル 国家との関係では、《社会権》*1 「さびしい」とい…