2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

正当化の態勢がすれ違う――ため息としての分析

「ロー&エコの時代?」(『企業法務戦士の雑感』)より(強調は引用者): ベタな実務サイドの人間にしてみれば、経済学が前提としているモデルも*2、法学が前提としているモデル(のようなもの?)も*3、所詮現実とイコールではないのであって、理論的に華…

参加の実態分析?

『概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学』pp.262-5、酒井泰斗(id:contractio)氏による「おわりに」より(強調は原文): 社会的秩序は、そのもとで暮らす人々が実際に規範を運用することをつうじて作り上げられているのだから、その運用のあり方を記…

「分析なき参加」(上山和樹−永瀬恭一メール公開)

私は、「ひきこもっている人を社会復帰させねばならない」とか、「再分配せよ」というベタな課題に従属しているのではなく、参加する、つながりを試みる、という危機的な体験をそれ自体として主題化しています。そのことが、臨床上どうしても必要であり*1、…

つながりと実存、社会化と承認をめぐるメモ

《社会参加臨床》を考えるなら、ここらへんの原理論をやらない人は、ご自分の思い込みや党派性に巻き込んでいるだけです。 うかつに臨床を語れば、ベタな医療目線に終わってしまう。 ある議論事業には、コミュニティ形成機能がある*1。 議論事業の措定が、実…

臨床性を中心に考えること

文化系トークラジオ「Life」、5月24日のゲストは東浩紀氏で、タイトルは「現代の現代思想」。リアルタイムに声を聴けたのがとても刺激的で、たくさんメモを取りながら最後まで聴取した。出演者たちと意見が同じとは言えないけど、逆にそこから「じゃあ、自分…

「ブッシュを支えたキリスト教原理主義者洗脳キャンプ」(『ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記』)

番組は東京ローカル。 google:松嶋×町山 未公開映画を観る 原理主義にはまり込んだ人たちは、無宗教者より不幸だと言えるのかどうか。 「私たちの世界は、大文字のシステムが支えていて、結構だいじょうぶ」という思い込み。世界を設計したのは狂信者かもし…

「つながりを生む理由」は、「紛争の理由」だ。

強いつながりが生まれる時には、それに適応できない人・排除される人も同時に生まれている。規範意識に照準せず、「環境管理」に照準するのはだから有益でもあるが*1、管理された場所で《つながりかた》はパターン化する。 メタ的な環境管理論でつながれる人…

第171回国会 青少年問題に関する特別委員会 (ニート、引きこもり等、困難を抱える青少年を支援するための対策) 【その2】

【その1からのつづき】 前日につづき、公開されている会議録からの転載です。

第171回国会 青少年問題に関する特別委員会 (ニート、引きこもり等、困難を抱える青少年を支援するための対策) 【その1】

「衆議院TV」で、 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php 開会日: 2009年4月24日 会議名: 青少年問題特別委員会 案件名: ニート、ひきこもり等、困難を抱える青少年を支援するための対策 で検索すると、当日の会議の様子を視聴できます(2時間32分)。…

背景的な結果物の時間から、生産の時間へ

専門性が、尊厳の配給装置になっている。 カルトのように。 「自分のことは自分が一番よくわかっている」という、勘違い。 「自分カルト」は、形式的に反復される内容のない専門性。 誰からも求められない専門性。 斎藤環は、ひきこもる人を「自分カルト」だ…

メールのやり取りをさせていただいた(参照)、永瀬恭一氏の作品: http://www.tcat.ne.jp/~kyouichi/page/painting.html http://www.tcat.ne.jp/~kyouichi/page/ex.html 「抽象絵画なのに、光の描写がある」 「素材感のある光」

岡崎乾二郎の作品集『ZERO THUMBNAIL KENJIRO OKAZAKI』が届いた。 ご本人のサイトにも一部作品が掲載されているが(参照)、素材感が欲しくて手に入れた。 絵の具の肉厚感やなすりつけた感触や、キャンバスの質感まで作品になってる。 これ自体は写真でしか…

目指すべき包摂性のスタイル

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04/01メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (227件) を見る「母親のおかげで、ヤクザから恩恵を受けてきた」というエントリーに、多くのコメントをいた…

「母親のおかげで、ヤクザから恩恵を受けてきた」

宮台真司『日本の難点 (幻冬舎新書)』pp.95-6より: そんな母親の構えのお蔭で「自分の母親は世間の母親よりもずっとスゴイ」と思えました。そうした母親の子であったせいで「浅ましい奴」や「セコイ奴」には絶対なりたくないと思うようになったのでしょう。…

「すでに生きているコミットメント」はどこへいったのか

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04/01メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (227件) を見る「はじめに」より: 振り返ると、ポストモダン化を予兆して「境界線の恣意性」を問題にした…