2009-11-17から1日間の記事一覧

社会全体を見ての視点

1965年には1.6兆円だった社会保障給付費は、2006年で89.1兆円。 40年で50倍以上に増えている。 不況の影響で生活保護費がクローズアップされているが、増加の多くは年金と医療費であり、高齢化によるもの。 参照:「社会保障給付費の推移…

社会性のあり方――つながりとしての《非日常》

東浩紀:「日本では、知的議論はお祭りの形でしか機能しない」 「バラバラに営まれている祭り=ミドルマンを、直列につなげることで状況を変えていく、それが雑誌『思想地図』」 社会参加臨床の方針として、ひたすら《日常》に埋没させようとするのか。 むし…

正当化パターンへの嗜癖 →「嗜癖化した関係性やコミュニティ」

ギデンズ 『親密性の変容』 addiction をめぐる臨床的な考察がある ひきこもりは、「状態像への嗜癖」 「自分じしんがカルト」(斎藤環) データベースと、「私は私」という無反省な断定との往復(鈴木謙介)*1 自分を承認させるパターンを覚えると、ひたす…

《当事者》とは

法的・政治的な紛争当事者 / 利害関係者(stakeholder) 【参照:「当事者と利害関係者」(鈴木謙介)】 「蚊帳の外だった人たち」。 カテゴリーで identify する。 「サバルタン」? 視点の内在性 (「専門家」は、観察する外部視点) 支援運動やアカデミ…

「家族の契約化」

《脱制度化としての契約化と、(再)制度化としての契約化》 つまり、脱埋め込みとしての契約化と、再埋め込み(re-embedding)としての契約化 国際家族年のスローガン「Building the smallest democracy at the heart of society」は、「家族からはじまる小…

政策課題としての、「社会的包摂 Social Inclusion」

社会的排除の問題に取り組む者が社会的に排除される。 「不登校・ひきこもり問題をやって食えるんですか」 マクロな政策 / 地方(ジモト) / 中間集団(経営・コミュニティ) / 親密圏 「二者関係と集団関係は、つくり方が質的に異なっている」(貴戸理恵)

「The Personal is Political」(個人的なことは政治的なこと)

たとえばストーカー関連では、刑事的なトラブルが起こらないかぎり、あるいは長期にわたって繰り返し自宅前に来られたりしないかぎり、現状のストーカー規制法では対応できない。 だから警察は頼れないが、いちいち裁判を起こしていたのでは、残りの人生が裁…

中核的なテーマとしての、《コミュニティ=中間集団》

対人距離の三段階――(1)家族、恋人 (2)中間集団 (3)通りすがり ⇒対人恐怖は、(2)に出る。 人の集まりには、派閥がある。 支援には、必ず偏りがある。 コミュニティの形成――「結婚相手を選ぶように人の集まりを選ぶ」 「おカネだけでなく、関係性…

専門家や親が「やってあげる」 → 「本人がどうしていくか」

不登校問題は未成年者が中心であり、80年代以来、親世代が中心の取り組みだった。 2000年以降クローズアップされた「ひきこもり」では、すでに高年齢化が進んでいるが(平均年齢は30歳を超えた)、社会的能力の低さがネックともなり、政治的・経済的な自立…

専門家システム――埋め込みと脱埋め込み

ギデンズ 『近代とはいかなる時代か? ─モダニティの帰結─』では、専門家システムが《脱埋め込み(dis-embedding)》の重要な要因だった。ところが今は、逆に「専門家システムへの埋め込み」が問題になる。 ひきこもりのように自己確認そのものの底が抜けてい…

本人側の意識と、親の意識

第27期 東京都 青少年問題協議会「「若者を社会性をもった大人に育てるための方策について」具申」より(強調は引用者): 2007 年に社団法人全国高等学校PTA連合会と株式会社リクルートが全国の高校2年生とその保護者を対象に実施した「第3回高…

精神医学

精神科医に最も影響力のある診断マニュアルDSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、精神障害の診断と統計の手引き)*1は、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)が定めている。 現在は第四版の修正版(DSM-IV-TR)…

「非社会」の診断(参照)

03年には、不登校の4割が広汎性発達障害だと診断された。 07年の調査では、67%が高機能広汎性発達障害だとされた。(杉山登志郎・談、『ビッグイシュー』130号より) 自分たちが死んだあとの子供の延命を望む親御さんの一部は、「長期にひきこもる人…

社会参加の臨床と、つながりかた(レジュメ)

16日、貴戸理恵氏の特別講義にゲストでお邪魔しました*1。 場所は関西学院大学(大学院)。 以下は、当日配布した資料のごく一部と、関連する話題です。 誤りやご意見等がありましたら、ぜひご指摘ください。 *1:たいへん貴重な機会でした。 お招きくださっ…