2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

メモ

【個別社会(中間集団)】 中間集団の形成のされ方には、種々ある。 左翼党派、アカデミックサークル、任侠組織、ほか。 中間集団に帰属でき、そこが経済的基盤を保障すれば、個人がいきなり「大文字の社会」に直面しなくてすむ。 ひきこもりにあえぐ個人の…

【ICCシンポジウム第1回の私的なまとめ (1)】、【同 (2)】、【同 (3)】 (id:inflorescenciaさん) 

主に「個別社会」「再帰性」に関して引用*1。 【追記: 私が自分で動画を見てのメモもご参照ください。】 強調は引用者。 【宮台真司】 そして最大の問題点は全体性を把握している人がいない点にあります。 民間企業も政治家も官僚も、生き残りをかけて各々…

 「再帰性」 と 「個別社会」

最近、「再帰性」 「個別社会(中間集団、党派性)」 「個人の政治化(交渉・契約)」 というあたりを焦点にしています。 いきなり全部を論じようとしてもどうしようもないので、少しずつメモしながら考えてみます。 ▼私のblogは、まとまった意見提示や解説…

スレ紹介

「引きこもりにありがちなこと」 「俺は明日で40才になるんだけど29年間ひきこもってるのよ。」 「過去の自分に1通だけメールが送れるとしたら」

討論サークルで聞いた言葉

「自分の人生には意味があるはずだ」と苦しんでいたんだけど、 意味はないけどこのケーキおいしいわ。 自分のつらさを打ち明けてくる人がいるけど、「それ面白くないよ」って言う。 「作品」か、それでなければ「友達だから」っていう形でしか付き合えない。…

「「学の介入」から「表現」へ」(斎藤寛氏、日本社会臨床学会より)

“再生産論のアポリア”と「心理主義」の議論群の難点と、この双方を串刺しにしてその先の眺望を得ようとする時、ひとつの重要な手がかりとして、「表現の奪還へ」ということがあるのではないか、ということを言いたい。 そこでは、“こんなにも生きにくい私”を…

TV番組「徳光の感動!!再会SP“海を越えた大捜索!逢いたい…家族は今”」

姫路で親御さんたちの思いつめた姿を見て帰ってきてアフリカNGOのケースと中国残留孤児のケースを観る。 僕は男女の間に育まれた愛は経験ないしリアリティがよく分からんが、親子の話はどうもやっぱりやばい。 ある人に「自殺したいなんてナルシシズムだ」っ…

姫路にて講演会

「情報センタ−ふきのとう姫路」さんのお招き。 【追記: ここにあった記述は、個人的すぎたので削除しました。】 本当に貴重な時間でした。 ありがとうございました>今日お会いした皆さん

TV討論番組の文字起こしについて

先日、視聴したTV番組『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』、「ニート対策を一切禁止する法案」について、かなり克明な文字起こしをしていたのですが、ここにはもちろん、著作権侵害に関する嫌疑があり得ると思います(読者のかたからも、「侵害にあ…

「ニートは扶養控除外 自民が検討」 【はてブ】

id:qushanxin さんのご意見もすごく参考になったが、コメント欄にある「sigz」というかたの発言が異様に鋭い。 全文熟読したが、気になるところをピックアップ。 (実はハコモノ行政の隠れ蓑になってる実態とか判明しているし。) 法案の実際の目的は、上中…

書評:「宮崎学『法と掟と』」(柄谷行人氏)

法と掟と―頼りにできるのは、「俺」と「俺たち」だけだ!作者: 宮崎学出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2005/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る「個別社会と全体社会」という枠組みが、最近ものを考える上での準拠…

殺意の対象としての非社会

ネット上で何度見たか分からない、一般のかたのにこやかな声。 「ひきこもりやニートには、殺意に近い嫌悪感がありますね」 塩倉裕『引きこもる若者たち (朝日文庫)』p.34より 家族教室は、相談に来た親たちのうち何人かに声をかけ、定期的に集まる方式で始…

後悔

「あの時、明確にこう言えばよかった」 「あの証拠を出せばよかった」 「相手の矛盾を放置してしまった」 ――きちんと弁護できなかった自分に激怒している。 具体的にやり直すしかない。

永続審議

自分を弁護する戦いに失敗すれば、「間違っていた」に等しい。 現世で失敗した審議をやり直せるメタな場所はない。 生きてる限り、自己弁護の過重な任務から逃れられない。 こんなに不安定な身分はない。

弁護闘争

人間は、無条件に自分を肯定することはできない。 労働は、それ自体が「自己弁護活動」になっている。 ひきこもりでは、それが破綻している。

代わりに

社会生活は「逃げられない戦争」みたいなもので、ひきこもりは、どこまでも敗残兵。 戦えない人間が生き延びるためには、周囲の誰かが代わりに戦っている。

「動物以下」

ひきこもってる人は、人間的であろうとしすぎるがゆえに、状態像としては「ペット以下=動物以下」になる(ペットなら、まだしも愛玩機能があったものを)。――近代社会では、そう考えるしかないのかもしれない。 ▼それを考えるのが、公共哲学とかだと思う。 …

「穀潰し(ごくつぶし)」

ニート・ひきこもりを「穀潰し」と言っている人は、言われた人間の命よりはその食う食物のほうが大事だ、という価値判断を示している(「だからいけない」というのではなく、事実として)。 ご家族が言うならともかく、第三者が言うことだろうか。

仮象としての「自分の責任」

「すべて自分の責任だ」――それは最終的にはおかしい認識だが、そういう「思い込み」なしには、行動が始まらない。 ▼思い込みすぎても動けないが。

「毎日1000人が自殺に走る国がまともなはずがない」(神保哲生氏)

当blogでは何度か触れてきましたが、発表される統計の自殺者数は、「決行から24時間以内に死亡した事例」のみです【参照】。 未遂はもちろん、24時間以降に死亡した事例もカウントされません。 追記(『来世牧童になるために』より) 自殺に関する正確な統計…

「研究者の資質とは何か」(河野勝氏)

よく、研究者に適した資質って何ですか、と学生たちに聞かれる。 ボクはそれがすべてとはけっして思わないけど、ひとつの重要な資質は、まちがいなく、孤独に耐えられることだと思う。 ひきこもってる人は、孤立はしているが、孤独には弱いと思う。 むしろそ…

雑誌『ビッグイシュー』 第52号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は、斎藤さんの「自由のパラドックス その2」です。 ▼斎藤さんは今号で、カフカ『掟の門』と芥川龍之介『河童』を掛け合わせ、新解釈を提起されています。 【これについては、ぜひ多くの方の…

「70万人もいたら日本は滅びるよね」(斎藤智成id:rahoraho氏)

その、ニートが物言えぬベットの上で丸くなっている弱者だみたいな誤解は打ち砕く そんな香具師が70万人もいたら日本は滅びるよね ひきこもりの実数については、疫学調査から、次のような数値が出ている。 平成14年度:「41万世帯(95%信頼区間20 万〜63 万…

公共哲学、社会政策

正直なところ、あの番組に出ていた「現役ニート」の人たちをどう擁護・批判すればいいのかについては、まだよくわからない。 というか、考えれば考えるほど、公共哲学や社会政策についての考究が必要であるように思う。 勉強が追いついてないです。 ▼気にな…

政治=「予算の使い道」

番組の最後では、「スタジオに来ているような元気なニートには予算を出すべきではない」という意見にたいへんな説得力があったし、私も本当に同感なのだが、ニートには予算が下りても、ひきこもりには予算が下りない。 「苦しんでいる人だけに予算を」とは、…

「自発的ニート」への承認と、「元気になりかけの引きこもり」

番組では、いつの間にか「やむにやまれぬ弱者」としての不就労者と、id:rahoraho氏が体現したような「自覚的に選択された不就労」とを分けるべきだ、という話になっていた。 これ自体はきわめてうれしい理解だ。 ▼ただ問題は、ひきこもり状態に追い詰められ…

「経済」「規範」「職能」の峻別

先日も触れたが、番組に出演した「現役ニート」たちは、家族の援助がなければ生きていけないが、逆に言えば、家族の援助さえあれば、スタジオや視聴者を敵に回しても生きていける。 つまり、経済事情を保障してくれる帰属集団さえあれば、全体社会の規範から…

「働くこと」への評価――帰属集団

id:rahoraho(斎藤智成)氏による、「働いたら負け」「働いてる人をバカな奴だと思ってる」という発言は、直接的な帰属や交換関係を持たない人たちが相手だからこそ言えること。 rahoraho氏といえど、「せどり」*1の交渉相手にはごく常識的な礼儀を尽くすだ…

 「ニート対策禁止法案」 視聴後の感想とメモ

先日文字起こしした『太田光の私が総理大臣になったら』、「ニート対策禁止法案」について、いくつかメモを記してみます。 ▼今回の番組は、今後の勉強についての火種を得たということなのだと思います。 今回の文字起こしについて、有志の方々より、計181…