2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

メモ3

「存在そのものを認める」という主義は、家族や支援者による当事者への抑圧であり得る(存在の受容は言葉を排除する)。 しかし、そのような暴力的被抑圧を通じてしか自己を社会的に承認させられない個人も居る。 イマジネールな篭絡は「勘違い」だが、シス…

メモ2

「症状的であること」と「頭良く振る舞うこと」。 私は症状的であることをやめられない。 でも頭悪くある自分や他人にひどく苛立っている。 場合によっては「頭良く振る舞おうとすること」自体が戦略的にまずい要素となる。 【理不尽な事情にあっては、「頭…

メモ1

単に順応的なのは困る。 でも、逸脱的であることに酔う人間は単にナルシストであり、必ず説教主義に陥る。 思考に関する本格的な事業意欲が要る(それを駆動するものは何か)。 ▼「怒る」「悔しい」というのは、症候を表す。 「頭の悪い人間に腹を立てる」と…

「いまできない最悪をやってくれ」

友人のくれたフレーズ。 「いまできる最善を尽くしたいんだ」と言った私に対して。*1 反芻して、救われていた・・・ *1:拙著、p.233

雑誌対談のお仕事

「対談」というのは初めて。 「論じる」「勉強する」というのは、「労働」であると いまさらながら痛感。

「OFF」ではなくて「ON」

1月21日、神戸で「ひきこもり交流学習会」参加。 地元兵庫県でのイベント参加は、とりわけうれしい。 以下のような話をしてみた。 元気に社会生活している方にとっては、「家に居る」というのは「OFF」なんだと思います。 だからそういう人が引きこもりを想…

「当事者分析」

これまでの思想において、《subject》 《subjugation》 として考えられてきたことの多くが、《当事者》を考える際に参考にならないか。 ある言説において《当事者》がどんなポジショニングを得ているか、がその言説の体質を表していないか(「当事者」という…

レポート:「ジュディス・バトラー講演会 ―Undoing Gender―」(chikiさん)

「ジェンダー」「セクシュアリティ」の話が、これほど参考になるとは・・・。 背景にあるのは、「承認」は社会的現実の一部をなしているということ。 自己同一性が仮に語りえないものだとしても、別のシステム、別の動作で表現されることはないと考える理由…

「今日の社会運動と「欲望の断念」について」(id:Arisan)

素晴らしい。 まさに「御意」。 欲望を断念すべきなのは、むしろわれわれ、「通常の社会」に属する者たちの方なのだ。 「汝の欲望を断念してはならない」はラカン派の倫理綱領で、それは想像的なものではなく象徴的なものに関わると思う。 つまり、「欲望を…

 去勢分析

合理と非合理

「自分を合理的に変化させ得る」という思い込みは、反復強迫によって繰り返し挫折させられる。 「合理的追求」自身の病。 制度設計は、各人における「合理的追求の端緒との出会い」を提供すべき。 合理と非合理の関係を徹底して考えたのは、社会学・精神分析…

ひきこもり=《合理性へのアディクション》

合理性は実存的不安を鎮めるが、その追求自体が強迫観念化=空虚化。 禁止として機能する「非合理(根拠のなさ)」を前提に繰り込んだ合理性運営が必要になる。 【参照】 動物化(合理言語の喪失)は、合理性を強迫観念化する。 合理性への強迫は「無根拠」…

「言説吟味」と「問題吟味」を峻別せよ

非合理な言説は合理的に批判し、問題そのものを合理的に検討すべきだが、むしろもとの問題自身が合理性の強迫化によって起こっているから、「合理性の徹底」は部分的にしか処方箋にならない。 ▼合理を根拠にすることの非合理さ(無意味さ)に絶望している。

「社会的ひきこもり」に関連し、本田由紀・土井隆義・井出草平・id:seijotcp、の各氏発言とこちらなどを参照しつつ取ったメモ。

「社会的扱われ方」

「アジア防災センター」 「人と防災未来センター」 「兵庫県こころのケアセンター」 「Yahoo!ニュース - 阪神淡路大震災」

「異様に自由」(traumatic freedom)

「1万円札があってもおにぎり一個買えない」のが、異様に自由だった。 《日常》が壊れて、死と隣り合わせだけど、自分を縛るものがない。 息をするのに、「自分の肺で呼吸している」実感。 規範に締め付けられた無感覚の呼吸ではない。 ▼「蛇口をひねっても…

「順応」と《過剰性》

ひきこもり当事者の熱意が、心情主義(「努力」「気合」「一生懸命」)*1になるのはまずい*2。 ほぼ間違いなく長続きしない。 「スキャンダラスな過剰性(反復強迫)」の社会的措定でなければ。 心情主義では、当事者側が自他を「説教する」ことになってしま…

「自然状態」

「言葉を話す能力」は、受難そのもの。 「理論的に考える」こと自体に臨床効果がある。 自然的あり方は苦痛でしかない。

「取り扱い注意」=「動機の宝庫」

「あなたの引きこもり体験について語ってください」と訊かれたときに特徴的な、《語りの欠損》*1。 ▼それは、「社会行為がない」がゆえの欠損と、「心理的に処理不可能」ゆえの欠損。 無理に語ろうとすると、それ自体が自傷行為になる。 自傷行為にならない…

 project

反復強迫の実存と、「説教する当事者」

当事者側のロジックが想像的なものでしかないならば、当事者の要求はそれ自体が「マジョリティへの順応要求」にしかならないのではないか。▼それは当事者が「正常な社会人」からされているのと同じ体質の説教を、逆に当事者側からし返すことでしかない。つま…

反復強迫としての《象徴的なもの》

《当事者》に関わる社会行為(発言・人間関係)が、つねにラカンのいう《想像的なもの》でしかない苛立ち。【もちろん他人事ではない。私はとにかく想像的なもの=人間的なものに吸い寄せられてゆく。それは明らかに《譲歩》だ。】 ▼ひきこもりとは「社会的…

《自己》のジャンル的成立

「コミュニケーション能力」「対人能力」(本田由紀)は、《自己》のジャンル的成立を鍵とするのではないか。忘我的熱意のないところでは、コミュニケーションはできないし意味がない。 ▼私は、「社会的ひきこもり」およびそのメタ的考察を許してくれる環境…

《作品=当事者(自分)》 「承認枠=議論ジャンル」

各作品ジャンルと、《作品》という枠組みそのものを考察するメタ理論。各作品枠の成立と、その後の批評行為。 ▼各当事者ジャンルと、《当事者》という枠組みそのものを考察する「メタ当事者論」。 各当事者枠の歴史的成立と、その後の「当事者批評」(「当事者…

「自分のことを考えることが、重要な議論であり得る」

「夢において問題となっているのは、お前である」*1(新宮一成) 「当事者学」(中西正司・上野千鶴子・貴戸理恵) 「譲歩しない」を唯一の綱領に、議論ジャンルそのものを創造してみる。やってみて初めて、そういう議論が歴史的にすでに存在していることを…

承認闘争(←規範枠)の複数化?

ゲームルールが(無自覚的にでも)共有されない限りは、「勝ち負け」は決められない。ゲーム自体に意味を見出せなければ、「降りる」しかない。【ゲームの複数化と虚無感の一般化】 ▼「○○の当事者である」という枠組み措定をした瞬間に、「仲間意識」=「転…

「強迫化した合理性」と、「非合理な禁止」

非合理な禁止によって維持される合理性の体系――合理性が強迫観念化することへのシステム的禁止(個人精神/社会制度)。投企的倫理が成立する環境としての「精神」と「社会」。被投的環境のシステム的整備を能動的に遂行する? ▼非合理な禁止において既存の…

「議論ジャンル」と「利害党派」

その議論や作品がもたらす恩恵は、誰にとってのどんな価値なのか――各学問・思想・学派、「アカデミズムと当事者発言」。 ▼消費者側の解釈枠が用意する「恩恵要素」がある。「何が恩恵と感じられるか」 議論ジャンルそのものに党派性があるならば、各論者に対…

 ジャンル・当事者・党派性

臨床的で、かつ自分を動機付けるためのメタ考察(メモ)。 知人たちとの議論から。 《議論ジャンル=承認システム》が持つシステム的?含意。