2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

東京シューレによる「見解」への、貴戸理恵氏からのコメント(PDF)

ご本人のHPより。 あくまで一読者としての感想だが、この「コメント」は見事だと思う。*1 シューレ側が、やみくもに貴戸氏を潰しにかかろうとするのではなく、対話的な協力関係を模索してくれることを期待するが・・・・。 【追記:今日は時間が取れませんが…

正当化の手続き

研究者が踏襲すべき「発言の作法」と、当事者の踏襲すべきそれとは、もちろん違っている。 研究者言説が評価されるときの基準と、当事者言説が評価されるときの基準は違う。 ちがうけれども、「当事者だから」何を言っても評価され尊重されるべきだ、とは全…

言説化

自分でも途方に暮れているのだが、僕はみずからを当事者的にできない、はっきり言えば「ひきこもり」に関連付けることのできない話題をそれ自体として論じる能力が、ほとんどまったくない。 政治や経済の「テーマそのもの」を抽象的に論じようとして、異様に…

 情報

27日、梅田で、岸政彦さん、「かなりあしょっぷ」の皆さん、樋口明彦さんと、6月26日のイベントの打ち合わせ。 楽しかった・・・・。

JR福知山線脱線事故

死者・犠牲者・被害者が掠め取られている。*1 当事者以外に許されることとは。 いや、むしろしなければならないことは。 *1:杉田俊介さん

兵法

自分の人生を全体のまとまりとして考えてしまうと、「どうして自分の人生には恋愛がないのか」と欠落部分が気になる。自分の人生を機能に還元して考えるといいのではないか。

続報

こちらの事件の判決ですが、ネット上に記事が見つからなかったので、日本経済新聞の25日付夕刊より転載します。 引きこもり男に16年判決 東大阪の両親殺害事件で地裁 自宅に二十年間引きこもった末、両親を殺害したとして殺人罪に問われた大阪府東大阪市の…

「ニートという単語を使うべきでない」という声が id:svnseeds氏ほかから出ている。

まだよくわからないが、ひとまずメモ。 「ニート」を単に「不況によって生まれただけのもの」とするなら、その存在が刺激する我々の規範意識の問題は問われなくなるのではないか。「ニート」という単語が、弱者バッシングの用語としてのみ機能するのであれば…

≪代表≫――属性として/政治主体として

自分が弱者であることによって聞いてもらう権利が発生するのは「ニーズの所在」に関しての調査であって、実際に自分で政治活動をできないのであれば、それは誰かに代弁してもらうしかない。その代弁=代表機能を負うことになった人間に文句を言う際には、あ…

稲葉振一郎氏による『不登校は終わらない』評(2004年12月8日)より(強調は引用者):

しかしながらそれは結局のところ「不登校」もまた一つのエスタブリッシュメントとなり、今以上にはっきりとした抑圧を生み、そこからの脱落者を生むことを受け入れる、ということだ。つまりそれは貴戸が警戒する「明るい不登校」のヘゲモニーを許すことによ…

時限弱者?

ひきこもり当事者の当事者性は生涯続くのではない、ということについて、岸政彦氏のブログにコメントしてみたのだが、「当事者の属性深刻度によって当事者性にランク付けがされる」、というのは多くの社会的弱者が経験することだろうし、おそらく典型的には…

弱者ゆえの権力?

社会学の調査倫理に関連し、「調査主体が当事者を蹂躙した」という話をされることがあり、それは容易に想像できる状況だが、一方で、「そういう態度を取るならもう取材に協力しないよ」という言い方で、当事者が調査者を恫喝することだってあるはず。社会の…

「属性当事者」と「政治主体」の峻別

ひきこもり支援というのは、当事者を政治主体にすること。*1 主体化の結果、支援者に歯向かうことは当然ある。 歯向かう権利はあるが、歯向かっている内容が馬鹿げていれば今度は支援者に反論の権利がある。これまでは、「当事者は支援者に反論してはならな…

 メモ

すでに書いたことが多いけど、『ビートたけしのTVタックル』という番組を観ていてあらためて痛感したので。 「当事者として発言するということ」あるいは「当事者学」が、たぶんここに関係する。 いただいている原稿依頼との関係もあるので、ひとまずこの…

 京都の研究会

23日、こちらのイベントにお邪魔。 合田正人氏の講演、ツボがたくさんあり、非常に熱心に聴く。 会場からの質問も熱い。 「病院環境の思想」というタイトルの研究会なのだが、ルーマンの話が出たり、「ゲシュタルトの動態化」とか、あるいは精神科医の方も…

内側の文脈と外側の文脈

自分の内面の文脈と、外的世界(現実社会・他者たち)の文脈と。 今お前が見ているものは本当に重要な焦点なのか。

16日のイベント、玄田有史氏の発言より

若者を支援する若者を支援するべき。 「100人の若者を支援する」より、「100人を支援する若者を10人支援する」ほうがいい。 先日のイベントで「中間人材」と言っていた話だが、あらためて重要だと思った。

『堀江貴文のお仕事相談Blog』より:

私は学校には行っていなかったですし、いく必要もあまりないと感じていました。まあ、ちょっとまじめすぎな感じですね。 まじめな人は、ずる賢い人に騙されてしまいますよ。 既存社会のゲームと、「新しいゲーム」? 自分の戦闘能力はルールによって変わる。…

「☆ ARTIST MEETS ARTIST ☆ 宮台真司×K DUB SHINE」*1より

音楽については何も分からないが、「取引」「脱社会」について。(強調は引用者) 宮台氏: 確かに単純な図式に押し込みがちだね。「断固戦う」か「言いなりになるしかない」しかみたいな。 でも重要なのは「取引」でしょ。国際関係でも人間関係でも同じ。単…

 交渉

「貴戸理恵×東京シューレ」の件は、政治的に非常にややこしい。 さらに時間をかけて取り組むつもり。 今日は関連する引用をいくつか。

斎藤環氏:

動機づけ(モチベーション)と自尊心(プライド)は密接に結びついてる。 プライドを破壊してモチベーションに向かわせることは不可能。 カルトでもない限り無理。 当事者のプライドに配慮した支援策が必要。 徹底的に反論が出そう(山形浩生氏など)。 反対…

 動機と自尊

16日のイベントについて、細切れに報告してみる(今後も折に触れ)。

ニーズの正当性――「消滅する媒介者」?

当事者が、「ニーズを抱えたもの」*1であるとすれば、当事者が原理主義的に活動するとすれば、それは「みずからのような苦痛に満ちた存在が社会的に再生産されないために」、「自分のニーズが消え去るために」活動することになる。 先日の日韓会議の際、知人…

「学校」と「社会」――改革・補完・選択肢

あらためて、id:snusmumrik さんより。 著者は、論文の最後に「終わらない不登校」を提案する。 不登校経験者に対し風当たりの強い社会には「出ていかない」。 そして不登校者たちによるサブ社会(?)の構築をするのだ。 それは「選択の物語」のさらなる延…

「特権」――拒否と活用

『不登校は終わらない―「選択」の物語から“当事者”の語りへ』末尾より(強調は引用者)。 これらの実践を通して彼ら*1が提示するのは、「不登校後の進路」ではなく「不登校という進路」の存在である。 このようなライフコースを今後も示し続けてゆくことは、…

これに関連し、次のご指摘が決定的です。

「『無関心』がもっとも乗り越える方法に近いのでは」 以前、次のように書いたことがあります。 「当事者」というポジション設定。 葛藤を置き去りにしてきた、という罪悪感。 わたしは葛藤を徹底して生きるだけ。 「当事者」とは「葛藤を生きます」「葛藤を…

以下、ご指摘についてメモ。

「『当事者の語りのあり方』は、同じ個人の中でも揺れ動くことがままある」 おおまかに個人を分類することはできると思いますが、自分のことを考えても、おっしゃる通りだと思います。 むしろ貴戸さんの指摘は、各個人が「自分は今どのように考えてしまって…

 原理主義の是非

貴戸理恵さんというと、東京シューレや社会学研究者からのクレームにばかり目が行ってしまいますが、id:snusmumrik さんによる、本の主張そのものに即した疑問: 「たかが不登校って言っちゃダメなのかい?」 この時期にこのエントリーは、頭の整理をするの…

精神科医のミッション:≪精神の自由度を高める≫?

先日、ひきこもりに対して≪治療≫という言葉を口にする斎藤環氏に疑義を呈したのだが、それに直接関係するような発言が16日のイベント中にあったので、ここに記しておく。(ただし記憶とメモに頼った記録でありで、逐語的ではない。あくまで「一聴衆の受け…

「焼け野が原」から(拙著について、id:matsuiismさんより)

単にうれしいだけでなく、「原点を裏切るな」と叱られた気もします・・・。