存在論的ダイエット

承前

  • 食事という行為を、《デアル》 と 《ガアル》 を咀嚼する営みにする(参照)。 制作過程のような、存在論的な食事。
  • 飢餓状態を、形式的禁止で慢性化させる。 そのことじたいに快楽がある 驚くほど味覚が鋭くなる。
  • 少しだけ口に入れて、ひとくち ひとくち、味わいつくす。→心理的に満腹なので、もう要らない」にもなる。
  • ご飯やパンなど、炭水化物系のすべてを、心理的に 《ケーキやアイスクリーム》 と同じ位置づけにする。 「ご褒美として食べる」の自己暗示。
  • 気に入ったものは味付けせず、素材そのものを味わう。 存在の近くにいるために。



「痩せたいのに、たくさん食べるのをやめられない」のは依存症的だが、
体重が減ってくると、こんどは体重が減ることに依存的になる。
ごまかしようもなく本当に「減っている」ことに気づいたときの、あの麻薬のような快感は、
カロリー摂取すべてに罪悪感を持つのに十分だ。*1



「できれば、もう食べたくない」

食べることが、労働のようになってくる。
そういうシフトを、自分の中に作り出す。
以前は食べずにいようとするコントロールだったものが、
だんだん、「食べるのをサボらない努力」になってくる。
このバランス点を探す。



語源は「生活様式」「生き方」

Wikipedia:「ダイエット」 より:

 「ダイエット」は、英語の diet の音訳。 英語では「(日常的に口にする)飲食物」や「食餌療法」、「減量を目的とする食生活」を意味する。 古代ギリシア語の δίαιτα (diaita、「生活様式」「生き方」)が、ラテン語(diaeta)と古フランス語を経て、英語に入った。

いわば《生存の技法》。 「やせる」のは、その部分的成果にすぎない。



*1:我慢すればするほど、「自己管理している」というチープなナルシシズムも満たせる。