イェルムスレウ関連文献

ueyamakzk2012-08-24

〔イェルムスレウの〕理論に対しては、それが資本主義的および分裂症的流れの本性に同時に適合する唯一の理論であるという両義的な賞賛を表明することも可能である。現在まで、これは言語に関する唯一の現代的な(復古調でない)理論なのである。 (『アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)』p.56)

スピノザ主義の地質学者」とも呼ばれ*1、グァタリが熱心に取り組んだのに、
日本語ではほとんど研究書が見当たらないイェルムスレウ*2
とりあえず書誌的に。 〔ほかにも追加予定〕


雑誌論考

  • 立川健二 言語学名著再読: イェルムスレウ『言語理論の確立をめぐって』》 月刊『言語』 2007年vol.36, No.6, pp.86-91

4つぜんぶを1〜2日で通読できる分量。 図書館などで探す価値あり。
アクセスしにくい状態にあるのが残念。



解説書

現代言語論―ソシュール フロイト ウィトゲンシュタイン (ワードマップ)

現代言語論―ソシュール フロイト ウィトゲンシュタイン (ワードマップ)

入手しやすいし、最初に読むのによいと思う。短い項目で、分かりやすい。


20世紀言語学入門 (講談社現代新書)

20世紀言語学入門 (講談社現代新書)



イェルムスレウ―ソシュールの最大の後継者

イェルムスレウ―ソシュールの最大の後継者

日本語では、一冊にまとまった解説書はこれだけ。


小林英夫著作集〈4〉批判的解説・一般文法の原理 (1977年)

小林英夫著作集〈4〉批判的解説・一般文法の原理 (1977年)

以下の『一般文法の原理 (1958年)』を、解説的に論じたもの。



邦訳

言語理論の確立をめぐって

言語理論の確立をめぐって

デンマーク語(原典)からの邦訳であるのに対して、より入手しやすい『世界言語学名著選集〈第6巻〉言語理論序説』は、同書英訳からの重訳。参照:http://bit.ly/LJ8t0K


言語学入門 (1968年)

言語学入門 (1968年)



一般文法の原理 (1958年)

一般文法の原理 (1958年)


【付記】

wikipedia にはルイス・イェルムスレウ とあるのだけれど、

 イェルムスレウの名 Louis末尾の s は発音されないということが、未亡人ヴィベケ・イェルムスレウ夫人からの私信(1988年3月28日付)で今回ようやく確証された。ルイスではなく、ルイである。 立川健二キルケゴール、ブレンダル、イェルムスレウ」、月刊『現代思想』 1988年vol.16-5, p.177)




*1:千のプラトー 上 ---資本主義と分裂症 (河出文庫)』p.100。 イェルムスレウをわざわざ「スピノザ主義者」と呼ぶ理由は、まだよく分からない。

*2:イェルムスレウをろくに理解しないまま『アンチ・オイディプス』や『千のプラトー』を研究するというのは、あり得るのだろうか?