フロイトの葉巻の銘柄

ueyamakzk2012-08-16

フロイトというと、いつも葉巻を持った写真を目にするわけですが、
銘柄は何だろう。 検索して見つかったのは、以下の文章(拙訳)。

 Obtaining good cigars, however, was no easy task.
 とはいえ、いい葉巻を手に入れるのは、簡単なことではなかった。
 In turn-of-the-century Vienna, the Austrian government maintained strict control over the tobacco industry,
 世紀の変わり目(1890年〜1910年頃)のウィーンで、オーストリア政府は、タバコ産業への厳格な規制を維持した。


 and so Freud's cigar options were quite limited.
 それゆえフロイトの葉巻の選択肢は、ものすごく限られていた。
 According to "The Freud Diaries, 1929-39", translated by Michael Molnar,
 マイケル・モルナーの訳した 『フロイト最後の日記 1929-1939』(←邦訳) によると、


 Freud usually smoked a cigar called a trabucco,
 フロイトは、いつもは「トラブッコ」と呼ばれる葉巻を喫っていた。
 which was small, relatively mild and considered the best of those produced by the Austrian monopoly.
 小さくて、比較的マイルドで、オーストリアの独占企業が作るもののうちでは、いちばん良いものとされた。


 But he complained that they were inferior, preferring the Don Pedros and Reina Cubanas,
 でも彼は「これはイマイチ」と不満げで、ドン・ペドロレイナ・キュバーナ*1 を、より好んだ。
 which he could get during his vacations in the picturesque Bavarian town of Berchtesgaden.
 休暇中に、絶景のバイエルンの町ベルヒテスガーデン(参照)で、手に入れられたものだ。


 Freud also enjoyed Dutch Liliputanos,
 フロイトは、オランダのリリプタノスも愉しんだ。


 and when old age limited his travel, he frequently recruited friends and colleagues to bring him his favorite cigars from across the border.
 年をとって旅が出来なくなると、彼はよく、国境をこえて好みの葉巻を持ってきてくれるよう、友人や同僚を募った。



ジャック・ラカン この葉巻を好んだようですが、

これは Culebraクレブラ*2 です。



*1:こちらのページによると、「レイナ・キュバーナ」はすでに入手不可とのこと。 いちばん似ていて入手可能なのは、La Gloria Cubanaラ・グロリア・キュバーナのようです(参照1)(参照2)。 cf.【La Gloria Cubana】(シガーコネクション)

*2:スペイン語で「ヘビ」の意味。あちこちの記事や書籍で、ラカンの手に持っている捩れた葉巻が「Culebra」であることが言及されています(参照)。