専門家や親が「やってあげる」 → 「本人がどうしていくか」

不登校問題は未成年者が中心であり、80年代以来、親世代が中心の取り組みだった。
2000年以降クローズアップされた「ひきこもり」では、すでに高年齢化が進んでいるが(平均年齢は30歳を超えた)、社会的能力の低さがネックともなり、政治的・経済的な自立は進んでいない(ただし地域差あり)。 結果的に、何もかもが《子どもにやってあげる》というフォーマットになりがちで、これではセクシュアリティの問題など、《本人がどう取り組むのか》というモチーフを前景化できない。
今後は、本人世代による自律的なコミュニティ形成と、その《つながりかた》が焦点となる。 それぞれの支援団体は、独自の共同体活動になっている。

    • 実はひきこもり関連の集まりでつねに出てくるセクシュアル・マイノリティの問題が、表だってほとんど話題にできていないのはこうした事情もかかわる。 親御さんは、自分の子供のセクシュアリティを話題にできない(親という立場の限界)。 同性愛等は直接セクシュアリティを話題にするため、「親の支援事業」で取り組むのは難しい。 本人たちの自前の取り組み(コミュニティ活動)が必要になる。 ▼今のところ、ひきこもり問題を中心にあつかう自助系グループで、セクシャル・マイノリティ当事者の参加を公言している集まりはないと思います。 しかし、「主催者だけは打ち明けられている」ケースも聞いているので、身近な集まりを調べて問い合わせてみてはいかがでしょうか。(あるいはもちろん、ご自分で新しく建てられる選択肢もあると思います。)