再帰性は、去勢の現代的あり方と言えるんだろうか。
底の抜けた「泥沼の再帰性」(宮台真司)は、むしろ去勢否認の条件に見える。
フロイトのモデルでは、自分の問題の所在を意識化できれば症状は軽減する。 しかし今は逆で、問題意識が高まれば高まるほど問題が大きくなってゆく。 勉強して、病理に詳しくなればなるほど治らなくなってゆく。
情報がフラット化(Google化)した世界、つまり「再帰性の回路が広がった世界」において、オブセッションがどこにあるか。 その自分のオブセッションに対してどこまでメタを維持しているか。 (「ICC オープニング・シンポジウム」、斎藤環の発言より)