政策対象としての「動機づけ」

現代思想』 2006年12月号 「特集=自立を強いられる社会
樋口明彦 「若者の「自立」を解体する 〜多元的な社会的包摂の試み」 p.133

 いまや、日本において動機づけは突出した政策対象として機能し始め、射程の広い問題となりつつある。


  • 若者を動機づけようとする政策側の動機づけは何か。 ▼「動機づけること」の自己言及的事情。 不登校・ひきこもりの業界は、「支援者が何に動機づけられているか」の猜疑心に満ちている。 【「治療主義ではないのか」「無理やり社会復帰しろというのか」「金儲けではないのか」云々】
  • 命が懸かっていても社会参加できないという状態は、すでに強烈に動機づけられている。 ▼動機づけを外部から押し付けることの無理さ加減。 すでにインストールされている欲望はどのような事情にあるか。