再帰性について、酒井泰斗(contractio)氏

http://d.hatena.ne.jp/contractio/20070107/1168107956

 「再帰」といえば、まずは数学用語(recursion / recurrence)だし、こういう用法↓のことを思い浮かべますよね:

    • ある対象 x の定義に x 自身を使用することを再帰といい、そのような定義を再帰的定義という。

 でも社会学では、この言葉は別の語(reflexive)の訳語として使われてるわけで、それがなんともキモチワルイです。 やめてほしい。 あと論者によって使われ方が違いすぎて、なにいってるかわかんないこともしばしばある。 といよりも(私の場合)そういうことのほうが多い。
 「再帰的近代」とか。なにそれ。わけわからん。


  • 英語 Reflection、Reflexivity
    • 文法で、自己を行為の対象とすること。 再帰代名詞、再帰動詞。
    • 社会学で、対象に対する言及がその対象自体に影響を与えることをいう。


 再帰性 reflexivity とは,社会学的には「○○についての言及が,○○自身に影響を与えること」と定義できます. 【中略】
 再帰性は社会科学の特性でもあります. 自然科学では観察結果が観察対象に影響を与えることはない(観察過程が与えることはあるでしょうが)からです. 【中略】
 ギデンズは「近代化が進むに従って社会は合理化され,社会の予測可能性・コントロール可能性が増していく」という考え方を退け,近代化とは再帰的近代化であり,予測可能性はむしろ掘り崩されると主張し,近代化=合理化論を否定しました.

勉強を進める上で、とても重要な示唆でした。