「ひきこもり 全国調査、実態浮き彫り」(中日新聞)

 ひきこもり平均期間は8.6年−。3年前から全国調査を実施している「ひきこもり家族調査委員会」(会長・平野祐次さいたま市議)が2006年度の調査結果をまとめた。
 05年9−12月に、ひきこもり親の会など全国の関係団体に調査用紙2300部を配布、返信を依頼した。回収率は26.9%(618人)。うち県内からの回収が101人で、最多だった。
 ひきこもり本人のいる家庭の家族構成は、73.3%が3人か4人家族。父親の平均年齢は61.6歳、母親の平均年齢は58.7歳で、その約6割が専業主婦だった。6%の世帯には、ひきこもりが2人以上いた。世帯平均年収は538万円で、78%が全国の平均以下の年収だった
 ひきこもりの男性は女性の8倍。平均年齢は29.5歳で30歳以上が半数を占める。平均年齢が04年の27.6歳、05年の28.1歳と、年々着実に上昇していることが分かった。
 ひきこもりを始めた年齢は、18歳がもっとも多く、13−26歳が全体の62%を占め、多くなっている。ひきこもり期間は平均8.6年で、10年以上ひきこもっている人が38.5%いた。
 ひきこもり本人の43.7%が相談機関の利用経験があり、精神科42.6%、民間カウンセリング33%が上位を占めた。一方、相談機関を利用しない理由として「相談機関の効果に疑問」(28.2%)がトップだった。
 平野会長は「さいたま市は04年度で約1000人の不登校生がいる。“履歴書社会”で孤立する可能性が高く、不登校の数字を減らさないと、ひきこもり問題の根本解決にならない。行政の本格的な自立支援策が必要になっている」としている。

    • 「ひきこもり親の会など関係団体」に限った調査、しかも回収率26.9%の中でこの結果になっていることを、どう判断するべきか。▼親の会に出てきているご家族は、全体のごくごく一部分に限られる。
    • 定義上、「ニート」は「34歳まで」とされている。 「ひきこもり=ニート」ではないが、多くの「若年向け窓口」は、この記事にある深刻な実情に即していない。▼大阪の窓口で短期スタッフをしていたときにも繰り返し直面したが、相談に来る側は、自分の年齢が窓口の対応年齢を超えていないかどうか、強烈に気にしている。【たとえば「30歳ぐらいまで」という表示があると、来訪者から「32歳なんですが、構いませんか・・・?」といった質問が頻出する。】 ▼しかもそれは、「窓口に来ることのできる人」にしか対応していない。【参照

職歴のないまま高齢化して社会に出ても、・・・・・