「名付け」再考

上記書き込みを行なった「ワタリ」氏は、みずからのblogに「フリーターが語る」と冠しているが、「名付け」ということにこだわるなら、これも再検討の余地があるかもしれない。【そもそも「フリーター」という言葉も、「ひきこもり」と同じく蔑称として機能し得る。】 ▼以下、『EU労働法政策雑記帳』(濱口桂一郎氏)の「パートって言うな*1より。

 思うに、パートとかフリーターという言葉を用いて論ずること自体が既に社会問題として重要な問題でないというコノテーションを有してしまっているのではないか。そんなことを眉を逆立てて叫んでいること自体がどうかしているんじゃないかという意味空間に陥っているんじゃないか。低賃金非正規労働者の問題としてきちんと論ずる枠組みが、まずは言葉のレベルで必要なのではないか。

私は「ひきこもり」という単語を、深刻な現実を忘れないために必要だと言ったのだが、濱口氏は逆に、「パート」「フリーター」と名付けることが「問題を軽視させる」と指摘している。