犯罪発生率 (人口10万人あたりの発生件数)

「犯罪者予備軍」というイメージに反し、「ひきこもり状態」は、現状では個人の犯罪加担率を下げている*1
具体的に統計値で見てみる。

殺人

「犯罪白書」の資料によると、平成14年度の殺人の認知件数は1396件、発生率は 1.1


ひきこもり当事者が起こしたとされている殺人事件*2は次のようなものです*3

  • 京都の「てるくはのる」事件(1999年)
  • 佐賀のバスジャック事件(2000年)
  • 滋賀の妹刺殺事件(2002年)
  • 大阪の両親絞殺事件(2004年)

ひきこもりの数は「最低41万人」とのことですから、「1年に1件ある」としても、発生率は 0.25以下 【現実には「1年に1件」より少ないですし、母胎数は「41万人以上」ですから、実際の殺人発生率はもっと少なくなります*4】。



他の犯罪

ひきこもりというのは、原理的に「他者や外部に向かわない」状態ですし、家の中にこもりきりですから(ネットすら「1割しかしない」)、外部世界や他者に対する用意周到な――犯意をもった――侵犯行為は、ほとんど事例がありません*5
家を出ないので、交通犯罪すらない。


平成14年の刑法犯の認知件数は、369万件あまり。
比較する気にもなれない。







*1:斎藤環氏も、「ひきこもりは若者の犯罪発生率を下げている」と書かれていた(ソースは失念)

*2:「ひきこもりの事件」というと、新潟少女監禁事件(2000年)を思い出しますが、「殺人」ではないので…。

*3:これくらいしか見つかりませんでした。 ほかにもあったら教えて下さい。

*4:ひきこもり総数を100万人と考えれば、殺人発生率は 0.1。 一般の10分の1です。

*5:上記殺人事件も、2例は家族が被害者であり、「家を出られない殺人」です。 さらに今回の東大阪の事件は、――ネット上の記事を見る限り――「無理心中の失敗」に見えます(これについては続報を待ちます)。