母なるもの

 語りにくいけど、無視できない。「環境」という言葉に近いと思う。無限に見えるが、じつは有限で、圧倒的に強く見えるが、じつは極度に弱い。振りほどこうと思っても、そうはいかない。サルトルの<存在>のように、べったりと付着している。そうかと思うと、カラカラに乾いている。