もし、20歳で・・・

読書体験がトラウマになることがある。
1年も前に読んで、いまだに克服できていない箇所をとりあえず抜き書き。


斎藤環氏 『OK?ひきこもりOK!ISBN:4838714394 p.125‐7 の宮台真司氏の発言より。

 以前お話をさせていただいたときに、性の問題が出てきましたよね。 そのときにも申し上げたけれど、僕は男子校の中学に入るとすぐにひきこもり状態になった経験があります。

「6ヶ月以上、家族以外とまったく接点がない」といった意味ではなく、「心理的に閉じこもっていた」ということだろうと思う。

 僕は中学入学直前まで関西文化圏にいたので、クラス全体を笑わせるだけでなく、誰とでもボケとツッコミをやりたがったのですが、東京ではそれが異常視されました(笑)。 それで、コミュニケーションをどうとっていいか分からなくなったことがある。

僕は関西に棲んでいるにもかかわらず、「ボケとツッコミ」の文化に入れず、それで孤立した。

 中学1年にしてマルクス主義にかぶれて、マルクス主義党派の機関紙を読んだりしてたんですよ(笑)。 そうしているうちに、周囲の考えていることと僕の考えていることが乖離しているように思えて、ますますコミュニケーションの仕方が分からなくなってしまった。
 だから、はたからはひきこもっているようには見えなかったかもしれませんが、個人的には非常に苦しかったですね。周りが冗談を言って笑いあったりしていて、自分も合わせて笑っているのですが、全然意味が分からない(笑)。

僕がマルクス主義にかぶれたのは18‐9歳だったが、確かにこんな感じだった。
自分に似ているなあ、と思っていて、


次の段落を読んで全身がふるえ、変な汗が噴き出し、目の焦点が定まらなくなった。

 その後どうなったかと言うと、大学2年の後半から劇的に回復します。 それはアングラからの離脱と並行するのですが、具体的にはセックスがきっかけです。 その当時つきあい始めた女の子を通じて、初めて性的不安から解放され、性的に全面肯定されました。 あるいは、相手のロマンチックな世界観の中で、「あなたは素敵」というかたちで全面的に承認される経験を持ちました。 それは僕にとって本当に決定的なことでした。



我慢して次に向かう。

 要は、僕は「マルクス主義については分かりますが、人間関係は分かりません」という感じだったのです(笑)。 だから彼女のコミュニケーション能力に学ぶことが多く、一所懸命学ぼうとしました。 1年、2年と付きあっていくうちに、だんだん学習が進み、「観念的であるがゆえの鈍感さ」にまみれていたことを深く反省するようになると同時に、だんだん彼女のような能力が僕にもついてきて、コミュニケーションそれ自体に自信がもてるようになり、中高時代を通じたある種のひきこもり状態から、劇的に回復しました。

ふるえが止まらない。

 逆に言うと、もしその女の子と出会っていなければ、どうなっていたのだろうかと考えると、相当恐い思いがします。 だから、性的承認というのは実はとても大事ではないかと思って、前回お会いしたときに斎藤先生にうかがったわけですが、先生も「大事だ」と。



これを打ち込みながら、まだ呼吸が変。




35歳にもなってこんな文章に全身を震わせている自分を爆笑したくもあるがw