2010-03-06から1日間の記事一覧

順応主義者であるという逸脱

所与の学問制度に乗っかるだけで引きこもりを論じることは、むしろ許しがたい逸脱です。 順応そのものが問題なのに、その専門家を自任する人たちがベタな順応者でしかないとは、どういうことなのか。 【⇒エスノメソドロジーは、順応そのものを主題化する議論…

(2) 《正常な社会参加》という保守的な理念

つながりの作法を自覚しない関係性では、同じ正当化のパターンが反復されており、その意味での順応主義が当然視されています*1。 逸脱者に受容的な共同体でも、そのコミュニティ内部の《つながりの作法》は絶対的であり、そこからの逸脱は糾弾の対象になりま…

(1) 《代表 representation》の問題

「ひきこもるいきさつは多様なのに、一部の人が代表ヅラして語ることで、実際に苦しむ人たちが抑圧される」という、それ自体は正しい意見。 しかしこれは、代表制のウソを自覚したうえで相応の政治的発言を試みたり、内在的に《苦痛の秩序》を分節する作業ま…

当事者論を組み変えるために 5

【酒井泰斗さんへのお返事であり、「4」のつづきです。】 私がエスノメソドロジー(EM)に求めたのは、 投げ入れられた状況に一方的に流されたり利用されたりしている人に、 状況を問題化するための手続きを与える ことであり、例えば以下のような必要があ…