2004-12-30から1日間の記事一覧

最後に斎藤環さんのご本から、関連しそうなところを少し。

『社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)』の「社会的ひきこもりは病気か」という章に「ひきこもりの国際比較」という節があり、さまざまな国の精神科医の引きこもり論を紹介したあと、次のように述べられています。 これらの見解をまとめると、一般…

その概念の流通によって誰が得をするのか

概念はヒトが支えないと消えてしまう。 製薬会社とAPAは「社会不安障害」概念を強く支持している。 「ひきこもり」概念を支えるヒトは少なく、その力は弱い。 「APA」というのは、「American Psychological Association」のことでしょうか*1。 とすれば、「…

「ひきこもり」 → 「ニート」?

「ニート」という語の登場によって「ひきこもり」が廃れてしまった、という見方もあるようです。 しかし『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』にも描かれていますが、ニートの最深刻層はやはり「ひきこもり」状態にあり、語の運用価値は残っている。 …

概念の運用益

前日に引き続き、id:hotsuma さんの「『ひきこもり』概念の余命は長くない。」について。*1 ぼくは「ひきこもり」概念の余命は長くないと思っている。 この概念が廃れた後には、「対人不安が強過ぎて家族ぐらいしかしゃべれない」ヒトたちをカテゴライズする…

 概念の政治的・臨床的意義