2003-09-12から1日間の記事一覧

歴史

外傷神経症に関して取り組んだ研究者はすべて、これまでに誰一人としてこの外傷神経症という問題を扱ったことがないかのごとく、この問題の探求を、あたかも自分に与えられた聖なる使命であるかのごとく、常にゼロから開始してきたという嘆かわしき事実があ…

時間

哲学者がよく「時間」について考えるが、それはとりもなおさず「時間」が恐ろしいからだと思う。われわれは時間を止めることがどうしてもできない。時間経過の射程圏外はない、つねにすでに時間は過ぎ去っている。過ぎた時間は永遠に帰ってこない。時間は、…

スタンス

ひきこもりの問題領域をそのままPTSDのそれに重ねることはできない。でも、支援のスタンスとして、PTSDの領域で積み重ねられてきた知見を参考にすることはできる。 本人が望まないのに訪問活動を敢行するのはやめるべきだと思う。親だけがそれを望んでいる場…

去勢といえば

斎藤環氏はみずからの対談集『OK?ひきこもりOK!』(マガジンハウス)で、宮台真司氏を相手に次のように語っている。 性体験自体は一つの去勢だと思います。(中略)実際に性的なパートナーを見つけ、性体験を重ねることは、自己イメージが有限性を獲得して…

去勢

『トラウマティック・ストレス』を読み進む。「トラウマ」は、僕にとって「去勢」の指標なのかもしれない。